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現場のプロが教える、工事用水中ポンプの選び方。

現場のプロが教える、工事用水中ポンプの選び方。

建設現場や土木工事、災害復旧などで不可欠な排水作業。その効率と安全性を左右するのが「工事用水中ポンプ」です。

ここでは、国内ブランドで信頼性の高い鶴見ポンプを例に、現場での運用を意識した選び方を専門的に解説します。排水量や設置条件、トラブル回避まで含めた実践的な内容です。

1. 排水の性質を確認する

まず最も重要なのは排水する水の性質。水質や温度、含まれる固形物のサイズによって、羽根車はねぐるま軸封じくふう・モーターにかかる負荷が大きく変わります。

汚水用 清水せいすい 高温水用
対応水質 泥水、雨水
砂入り水
清水、雨水 60度前後の温水
通過径 30~50mm なし~3mm なし
現場例 工事ピット
河川の工事
床上・下浸水現場
清掃用
タンクの排水
地下室からの排水
プラント排水
温水洗浄後の排水

1-1. 水質と固形物の影響

  • 汚水:細かい土砂が多く、羽根車の詰まりや摩耗が発生。羽根車材質と通過径を確認する。 例:鶴見ポンプ「HS・HSE型」 >>商品を見る
  • 清水せいすいほとんど固形物なし。羽根車や軸封への負荷は小さいが、砂混入は軸封摩耗の原因となるため注意する。 例:鶴見ポンプ「LB型」 >>商品を見る
  • 浮遊物、夾雑物きょうざつぶつ枝や石、建材片などが混入する場合は、通過径の大きな汚水用ポンプを使用する。 例:鶴見ポンプ「KTV型」 >>商品を見る

1-2. 水温の影響

  • 常温水(〜40℃):一般的なモーター・軸封で対応可能。
  • 高温水(60℃前後):モーター焼損しょうそんや軸封劣化のリスクがあるため、高温対応型を選定。

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排水中に砂や小石が含まれる場合は、清水せいすい用を使うと詰まりや軸封の損傷の原因になるので、必ず泥水用を選びましょう。また、排水温度が60度前後の現場では高温水用を選ぶことでモーターやシールの劣化を防げます。

2. 揚程・吐出量は現場条件で計算する

鶴見ポンプは仕様表に最大揚程ようていと最大吐出量はきだしりょうが明記されていますが、現場で重要なのは「実際に排水できるかどうか」です。仕様書の数値だけで判断すると失敗につながるため、配管の長さや摩擦損失、排水口の形状も含めて現場条件を数値で計算することが重要です。


◾️揚程ようてい(どれくらいの高さまで水をくみ上げられるか)

地下室やピットから汲み上げる高さを考えます。現場の排水点までの垂直距離に、配管による摩擦損失を加えて算出します。
長距離や曲がり配管が多い場合は「仕様値より20〜30%」の余裕を持たせるのが安全です。

例:地下ピット3m+配管長10mで摩擦損失2m → 必要揚程5m
地下3mまで排水するなら、揚程は最低でも3.5〜5mが目安。

◾️吐出量はきだしりょう(1分間に排水できる量)

泥水や砂混じり水では仕様値より低下するため、詰まりの影響を見込んで10〜20%の減少を前提にします。
大規模現場では排水速度が重要で、吐出量が不足すると作業遅延や泥水の二次被害の原因となるため余裕を持った設定が安心です。

例:仕様 100L/min → 実際は 80〜90L/min
現場経験では「仕様表の吐出量 × 0.8」が泥水排水の安全設計値の目安。

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揚程は「現場の高さ+配管摩擦」で決まるため、仕様値ではなく実際の現場条件に20〜30%の余裕を持って選ぶことが重要です。
また、吐出量は泥水では仕様値の80〜90%に低下するため、配管長や曲がりの条件も含めて判断することが最も確実です。

 

3. モーター特性と連続運転

現場でポンプを長時間運転する場合、電源条件とモーター特性を確認しましょう。
100V単相は小規模現場向けで取り回しが良いいっぽう、200V三相は大規模現場で安定した高揚程・大流量に対応します。
鶴見ポンプは連続運転に強く、モーター冷却構造や軸封構造が長時間運用を前提に設計されています。

3-1. 定格電圧・相数(100V単相 / 200V三相)

100V単相は小型現場向けで家庭用コンセントが使用できますが、吐出量・揚程は控えめです。200V三相はモーター効率が高く、大規模排水や長距離配管にも向いています。


3-2. 連続運転時間(長時間運転できるか)

鶴見ポンプは現場向けに連続運転を前提としたモデルが多く、モーター冷却構造や軸封の耐久性が高いため、長時間稼働でも性能が安定します。

 


3-3. 過負荷保護(モーター焼損を防ぐ)

砂・泥・異物の噛み込みによる過負荷はモーター焼損の原因です。
保護装置付きモデルを選べば、過負荷発生時に自動停止し、故障リスクを大幅に低減できます。

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電源・モーター容量を誤ると、運転停止や焼損トラブルが発生します。現場では必ず「連続運転可能」「余裕のある容量」「過負荷保護の有無」を確認して選定することが重要です。複数現場で使用する場合は特にこの3点を押さえておけば安全です。

 

4. 設置・移動のしやすさも大事

狭いピット、深いピット、泥水現場など、条件に応じて最適な設置方法と吸水口形状を選び、さらに現場で素早く整備できる構造かどうかが作業効率を大きく左右します。

◾️設置方法(自立型 / 吊り下げ型)

自立型は、底が平らなピットや作業スペースが限られた現場で扱いやすく、設置が非常に簡単です。
一方、吊り下げ型深いピットや水位変動の大きい現場に最適で、安定した運転を維持できます。

◾️吸水口形状(泥水・夾雑物に強いか)

泥水や砂・小石・落葉などが混入する現場では、大口径の吸水口が必須です。
異物詰まりを起こしにくい設計は、排水停止のリスクを大幅に減らし、現場の作業中断を防ぎます。

◾️メンテナンス性(整備しやすい構造か)

羽根車や軸封(メカニカルシール)が容易に取り外せる構造は、現場での詰まり除去や点検をスムーズにします。
さらに、ケーブルの取り回しやすさ・ハンドル形状の持ちやすさも、設置と撤収を効率化する重要なポイントです。

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現場条件に合った設置方法(自立型・吊り下げ型)を選ぶことで安定運転につながります。
また、大口径吸水口や整備しやすい構造のポンプは、詰まりやトラブルを避け、現場作業の効率を大きく高めます。

 

5. 現場別おすすめ商品

現場用途 型番 主な仕様・特徴
① 一般土木・建築排水(雨水・湧水含む) LB型水中ハイスピンポンプ

鶴見ポンプ LB型
水中ハイスピン
吐出し口径40・50mm、出力0.25~0.75kW。一般工事排水用です。
② 低水位・残水処理ピット・地下室 LSC1.4S

鶴見ポンプ LSC型
低水位排水用
「低水位排水用 水中ポンプ」で紹介されており、底板構造や残水1mmレベルまで排水可能モデルとして実績あり。
③ 含砂・泥水・夾雑物を多く含む汚水排水現場 50PU2.4S

鶴見ポンプ PU型
汚水用ハイスピン
「水中ハイスピンポンプ PN型/PU型」カテゴリに該当。夾雑物対応力が高く、地下ピット・湧水・汚水現場向き。
④ 高揚程・大流量で建築工事向け KTVE

鶴見ポンプ KTV型
水中ハイスピン
ハイスピン形羽根車の採用で、摩耗に強く、砂などのロックが少ないハイグレードなポンプです。

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